− チュウヒ類の個体数一斉調査 (2024年 越冬期) −

【 調査の目的 】

 チュウヒは越冬期には大陸からの渡来個体も加わり、日本国内に300〜450羽が生息していると考えられています。しかし、全国的なモニタリング調査などは行われておらず、正確な個体数や増減は明らかにされていません。

 一方で、チュウヒの生息地の中には大規模太陽光発電などの新たな環境開発も起きており、今後、国内のチュウヒの生息状況が悪化する可能性があります。また、越冬個体数のモニタリングは前年の繁殖成績などの推定にも利用できると考えられており、チュウヒの保全のためには欠かせない基礎情報となります。

 そこで本調査では毎年1月にチュウヒ類の就塒個体数をカウントすることで、チュウヒ類の保護に向けたモニタリングをしています。
 調査には各地の協力者が不可欠ですので、是非、調査へのご協力をお願いします。(調査には会員以外の一般の方も参加可能です。)


【 調査方法 】

(1)調査内容
  ・チュウヒ就塒個体数、環境変化のアンケート
  ・ハイイロチュウヒ就塒個体数、環境変化のアンケート
   ※就塒個体のカウントが困難な場合は、日中の個体数でも可
   ※環境変化のアンケートは主観的な内容で構いません今シーズン(調査時)の概要を分かる範囲でお知らせください。

(2)調査日時
  ・2024年1月中のいずれか1日間 (調査地が複数個所ある場合には、数日間に分けての実施も可)
    ※可能な限り1月4日に合わせて、1月上〜中旬に調査してください。
  ・日没前1時間から日没後30分までの間を目安に調査してください。
    ※ねぐら全域が見渡せる場所では、早朝のねぐら立ちを調査しても構いません。
    ※早朝調査の場合は日出前30分から日出後30分までの間を目安に調査してください。

    ※ねぐら入りの観察が困難だったり、ねぐらの場所が不明な場合は、日中に観察した最大個体数を報告していただいて構いません。

(3)調査地の選定条件

  ・複数羽のチュウヒ類の越冬が毎年観察されている場所を調査対象地とします。
    ※偶然にチュウヒ類の生息を確認した場所や、1羽だけの観察例での報告でも構いません。
    ※チュウヒ類の生息の可能性がある場所であれば、観察結果が0羽だった場合の報告でも構いません。


【 調査への参加方法 】

  ・調査には本ネットワークに参加していない一般の方も参加できます
  ・調査にご協力いただける方は、事務局までご連絡ください。事後報告も受け付けています。(連絡先はこちら
  
・取りまとめの都合上、参加の連絡や調査結果の報告は2月上旬までをメドにお願いします。


調査結果の公表について 】

  ・生息地保護のため、調査地や個体数の詳細な情報は公開していません。
  ・調査参加者には2月下旬頃に調査結果の報告をします。(調査協力者には、個体数と調査実施地点数を都道府県単位で集計したものをお送りします)


【 過去の調査結果 】

 ※本調査では国内すべてのチュウヒ類の個体数をカウントできているわけではありません。
 ※調査年によって調査地が異なる場合があります。
 ※生息地保護のため調査結果の詳細は公開していません。ご了承ください。

 <2014年> チュウヒ: 78〜81羽  ハイイロチュウヒ:20〜22羽  (11都道府県:計23調査地)
 <2015年> チュウヒ:118〜125羽  ハイイロチュウヒ:45〜49羽  (16都道府県:計33調査地)
 <2016年> チュウヒ:175〜178羽  ハイイロチュウヒ:50羽    (21都道府県:計56調査地)
 <2017年> チュウヒ:177〜183羽  ハイイロチュウヒ:44羽    (21都道府県:計55調査地)
 <2018年> チュウヒ:180〜197羽  ハイイロチュウヒ:40羽    (20都道府県:計38調査地)
 <2019年> チュウヒ:163〜164羽  ハイイロチュウヒ:34羽    (18都道府県:計36調査地)
 <2020年> チュウヒ:152〜159羽  ハイイロチュウヒ:63〜65羽  (21都道府県:計48調査地

 <2021年> チュウヒ:185〜189羽  ハイイロチュウヒ:49〜50羽  (17都道府県:計40調査地
 <2022年> チュウヒ:179〜181羽  ハイイロチュウヒ:61羽    (17都道府県:計44調査地
 <2023年> チュウヒ: 86〜96羽  ハイイロチュウヒ:49〜51羽  (19都道府県:計45調査地)
 <2024年> チュウヒ: 88〜89羽  ハイイロチュウヒ:53〜55羽  (17都道府県:計39調査地)



   図1.就塒個体数の経年変化(2014〜2023年)
    ※個体数指標は2014年を1とし、点線は信頼区間を表している。
    ※就塒調査が2014〜2023年の間に5年以上実施された13都道府県19調査地について解析ソフトTRIMを用いて解析。
    (ハイイロチュウヒは12都道府県16調査地について解析)

    (a)チュウヒ
     
    (b)ハイイロチュウヒ
     



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